一枚の手紙・9

一枚の手紙

目の前には、体長2メートル程の大きな

影のような存在・・・

霊でも無く、精霊や妖精でもない

この出立ち、気質を視ればその存在が

神の主命をもって行動している主格であることは

容易に理解できた・・・。

しかし、こんな所に何故

透明「この地に踏み入ること、ご容赦ください

   野を司りし主格殿

主格「・・・・口上承るが、おんしらの様な

   輩が立ち入ること・・・好まん

   はよう居ね

私達のような、神仏の加護を得ている者にとって、

主格のような神の使いは、テリトリーを気にする・・・。

まあ、この地を守る役割を持っていれば、仕方のない

ことではあるが、都内のど真ん中にまさか主格が

いるとは、こちらも想定外だった・・・

 円「あのさ~なんモゴモゴモゴモゴ

慌てて円の口を塞ぐ

透明「(やめろ神の使いといえど、神から主命を

   いただいている主格だぞ

   怒らせたら厄介なことになるんだから、

   お前はおとなしくしていろ)」

 円「うぐ・・・む~む~む

お前は、六羽か

透明「主格殿ひとつお尋ねさせていただきたいのですが

主格「なんじゃ

透明「単刀直入に・・・なぜ、この地を浄化されているのです

主格「・・・・この地・・・陰陽の偏りがる・・・。

   主は、憂いている・・・。」

なるほど・・・確かに、墓地の陰気がこの沼地に

引き寄せられているようにも視える・・・。

だからかこの沼を取り巻く低級霊の数は、

通常の公園内にしては多すぎる

主格「我もひとつ問おう

透明「

主格「おんし、何故・・・呪を纏っている・・・。」

透明「あっあははっ・・・実は・・・。」

私は、この地の主格であれば何かを知っているのではないか

という憶測から、今まであったことの経緯を説明する・・・。

主格「ふむ・・・・どれ・・・・。」

透明「

突然、主格が私に覆いかぶさってくる

 円「と、透明

透明「大丈夫

主格「うむ・・・呪は外れた・・・。

   これでよい!はよう居ね

透明「おお~っこれは凄い

   お手を煩わせてしまい、本当に申し訳ありません

   感謝いたします・・・

さすがは、これだけの陰極の気を浄化する主命をもった

主格だ

私達が手こずった呪いも一発とは

だけど・・・・。

透明「主格殿呪いを解除していただいたこと

   本当に感謝いたします・・・されど、何故

   この呪を生んだモノのことを庇い立てするのですか

主格「・・・・むう・・・・

主格が自分の主命と関係ないことで、人を助けることは

考えられない・・・となれば、この呪いと主格は

無関係とは考えにくい

主格「・・・・やはり、おんしらのような輩は好かん・・・

   しかし・・・関わりを持った以上・・・仕方なし・・・。」

主格は、我々に来るように合図をし、沼の周りを周りはじめる

しばらくして、沼の反対側まで来ると、向こうからは見えなかった

小さな社があることに気づく

透明「これは・・・・神社ではありませんね

主格「うむ・・・・。」

神を祀る社には、特徴があり、形状大きさ一片の長さ

計算されて作られている・・・しかし、この社はまったく

その形式に当てはまらない・・・。

 円「・・・・封印ね

円の言うとおり、この社は、何かを封印するために作られた

いわゆる檻となる形状・・・しかし、こんなところに

封じられているモノって・・・

主格「その通りだ・・・我はこの封社に触れられず・・・

   護っておる・・・。」

透明「この封社を建てた人って・・・かなりの力をもった

   神主さんだぞ

 円「確かに・・・でも、この社・・・結構新しいよね

透明「・・・・。」

 円「・・・・。」

透明&円「(やばい陣の顔しか思い浮かばない)」

透明「主格殿は、この社を護ることが主命ということですか

主格「天雲様は・・・この封社を管理し・・・この地の災い・・・

   鎮めるようにと・・・。」

透明「(天雲様・・・やはり、天村雲命(あめのむらくものみこと)様か、

   ということは、五十猛命(いだてのみこと)様だから、やはり地を

   清める為に主命がくだされたことになる・・・そうなると、

   ここに封印されているのは・・・。)」

次回、主格を口説き落とします・・・。

           続く・・・。

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コメント

  1. 初花 より:

    透明先生 みなさま こんにちは♪
    う~~ん、何だか話が思わぬ展開に…{汗}
    てっきりお化け関係かと思っていました。{YES}
    陰極の気を浄化する主格…それを遣わした主。
    封印されたお社…そして手紙の差出人は一体
    誰なのか…???うーーん、やっぱりさっぱり
    分かりません{りんごちゃんNG}{汗}
    もしもお社を建てるときに陣さんが関わっている
    のなら、次回は陣さんが登場するのかなぁ?{笑}
    ところで地を司る主格様の登場で、先生が秩父の
    お山で遭遇された山の主格様を思い出しました。
    「この山の主格<太><色:#ff0066>だね{びっくり}」「~<太><色:#ff00cc>だね{YES}」の語尾が
    可愛らしくてツボでした(笑)
    今後の展開も気になります~{ラブ}

  2. 和樹 より:

    初花さんにつづき、神様が関わる展開………
    小野妹子、じゃない、驚いた
    なんで、『お』で、一番にそれなんだ、スマアホぉ!(御年3年近く)
    先生は場所を明記されてないけど、
    もしかしたら……タマネギ風の飾り乗っかってる建物の近くかにゃ?💦💦
    むしろ、『力のある神主さんが建てた』→陣さんを連想されるも、
    もともとをきっかけになった呪の手紙と『助けて』という声……
    ……『陣さん、こいつぁ、やっちまったぁ~~~系』に読めて、シリーズラスト、きっとボコボコにされる陣さん…
    (決めつけ)

  3. たっちー。 より:

    透明先生、こんにちは!
    陣さん久々の登場の気配が…💕

  4. cocoa より:

    陣さんそういえば神主さんのお仕事風景を漫画で見たのを思い出しました。
    ご祈祷中に猫グッズみてホンワカする陣さん…(*´∀`)

  5. サングエ より:

    透明先生{ラブ} こんばんは~
    へぇ~{わお} 神の主命をもって行動している、
    主格という存在が、あるんですね {るりばな}
    天村雲命様、五十猛命様も、初めまして{YES} の神様です{スマイル}
    封社を見て 二人が 陣さんを想像したってことは {わお}、
    そうなのですか{なんで} えぇ~{キラリ}陣さん{超びっくり} スゴ~~い{キラリ}
    ({なんで}、これは失礼しました。すみません{YES}{汗})
    和樹さんは、ご存知の場所なのかな{はてな}
    一番近い所に いらっしゃるから いいなぁ~ {ハート}と、
    記憶しているので、そうなのかも知れませんね{ひらめき}
    何が封印されているのか{はてな} 全く{はてな}{はてな}
    でも、先生が口説き落とせないモノは無い {ラブラブ}
    これは分かります{スマイル}

  6. 和樹 より:

    >サングエさん
    いえいえ、場所を特定できたわけではなくて💦💦
    墓地、大きな公園、都内真ん中、というワードだけで思いついたのが、北の○公園だったので(^_^;
    投稿後、……あれ?墓地っても、お濠はさんでるから、隣とはいわないか……
    あ、待てよ、遊具とかあったっけ?
    沼みたいな小さな池なんか、なかったよなあ
    (そもそも現地記憶が古い)
    推理好きだけど当たらない私 orz
    でも、陣さんのお仕事の結果が形になっているのなら、お目もじしたかったです✨

  7. サングエ より:

    >和樹さん{ハッピー} こんばんは~
    うわぁ~{ひらめき}{キラピンク}って思って、つい つぶやいちゃいました{YES}{汗}
    場所の見当を つけられるだけでも、ウラヤマ{ルンルン}です~{スマイル}
    どこかな{はてな}{ひらめき}って、楽しみ増えますよね{ハッピー}
    今までも、{車} で ○分とか、電車で○分って書いてあると、
    行ってみたくなるんですけど、結局チンプンカンプンで {ショック}{ため息}
    いつも、それって何処やねーん {げっ}{涙} で、終わってます(笑)
    いろんな力で護られている今回の場所 {キラブルー}
    一緒に 見守りましょうか {キラ}

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