夏の想い出・10

夏の日の想い出・10

淳和「うう~う~っ

透明「・・・・・。」

淳和「ああ~~~っ

透明「・・・・・・・。

   (やっぱり、誰かを呼んでいる)」

少しひらけたその場所には、座り込んで

必死に誰かを呼んでいる淳和くんと私、

それと変な生物がいるだけ・・・。

変な生物っていうな~~~by黒揚羽

しかし、誰かが来る様子も気配もない

透明「・・・・・。」

淳和「ああ~っ・・・二コッ

   うう~~~うう~~~っ

透明「えっ

突然、淳和くんの声質が変わる

でも、誰もいないどういうことだ

淳和「あははっうう~っああっ

透明「(何故急に遊びはじめたぞ

   どう視ても誰もいないのに、

   誰かと遊んでいるようにしか見えない)」

揚羽「変ですね

透明「揚羽も、何も感じない

揚羽「ハイ

透明「そっか・・・大人には視えない存在って

   いうワケでもなさそうだ

私達は、必死に淳和くんの見ているものを

読み取ろうとするが、どう考えても何も

存在している気配はない・・・

透明「・・・そうなると、可能性はひとつか・・・。」

揚羽「

私は後ろから淳和くんに近づき、彼の頭を撫でる

透明「淳和くん少しだけ、じっとしてて

淳和「

私は、淳和くんの視ているものを淳和くんと

共鳴することで視ようとする

透明「・・・・・・

揚羽「ご主人どうしました

透明「そっか・・・そういうことか・・・

揚羽「

透明「淳和くんは、お父さんと会っているんだよ

揚羽「はぁ

透明「もちろん、お父さんはここにはいない

   霊も念も存在していない

揚羽「どういうことでしょう

透明「淳和くんの視ているものは、神様でも

   山の妖精でも、霊でも無い

   彼は今、彼の想い出が見せる父親と会っているんだよ

揚羽「

小さい頃に、視えるもの・・・

それは、霊や妖精などの存在しているものだけではない

子供の脳には不思議な力がある

そのひとつが、想い出を具現化する能力

強い想いと過去の記憶が合致した時にだけ起こる

優しい現象

淳和くんは、きっとお父さんとここへ来た想い出が

あるのだろう

その時の楽しかった想い出と、父親を望む小さな願い

今、淳和くんの目の前にだけ存在する父親を見せている

私は、自然と涙が溢れ、くったくのない笑みで父親に

抱っこをねだる淳和くんをみていた

淳和「ううあううあ

必死に両手を空へ伸ばし、父親のぬくもりを求め

温かい抱擁を望む小さな願いは叶えられるはずもない・・・。

それでも、両手を広げ涙を流しながら抱っこをねだる

幼いこの子をみていられなくなった私は、淳和くんを

後ろからヒョイっと肩車する

淳和「わああ~っひひゃはあははっ

透明「淳和くん一緒に遊ぼう

   お父さんとおじさんと淳和くんで

淳和「ひゃはひゃはうう~っ

私は、今ここに父親がいないことを淳和くんに

告げることはできなかった・・・

透明「(もう少し・・・もう少しだけ・・・)」

淳和「あははっひゃあああ~っ

しかし、残酷な時は近づいてきていた・・・。

              続く・・・。

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コメント

  1. 57 より:

    子どもって、なんて健気できれいなんだろうなぁ、って泣けてきました。
    お父さん… ; ;

  2. みき より:

    お父さんと「おじさん」と淳和くんで・・・
    という、「おじさん」という言葉に反応してしまった{りんごちゃん}
    次回の「残酷な時」、読むのが辛いかもしれません。
    でも、じゅんなくんは、透明先生のおかげで
    幸せなになれたのですよね・だから、今回の連載の
    初めのお話のように、ずっと交流が続いているんですね。
    次回も、しっかり読ませていただきます。
    円さんのご協力に感謝です{ラブラブ}

  3. あやや より:

    想い出を具現化する能力・・・
    あった方が良いのか
    無い方が良いのか分かりませんが・・・
    淳和くん・・・幸せになって欲しいです。

  4. くう より:

     子供の心って 本当に きれいで・・
     なんか うるうる きちゃいました
     次どうなるか ちょうっと 不安ですが
     どうか 淳和くん 幸せになってくれるといいですね(#^.^#)
     おじさん(笑) ガンバ{YES}{グッド}

  5. ニコ♪ より:

    仕事の休憩中ですが
    泣いてしまいました…{CARR_EMO_391}{CARR_EMO_334}{CARR_EMO_334}
    周りに誰も居なくてよかった…。

  6. まきやん より:

    淳和くんは、「う~」とか「あ~」とかしか言いませんが、知的障害でしょうか?

  7. ゴールドキング より:

    思い出を具現化できるって
    凄いですねぇ。
    お父さんを失って 言葉まで奪われて・・・{ごめんなさい}
    さらに
    思い出から作り出した お父さんがいないことを
    突きつけられる・・・
    淳和くん 耐えてくれ{ごめんなさい}

  8. 天使ママ より:

    まきやんさん、すみませんが横から失礼致します。
    4頁前の記事に、幼い淳和くんが喋れなくなってしまった理由が書いてありましたよ。
    読み飛ばしがあるのかもしれませんので、この鑑定ファイル75を最初から読み返してみるのも良いかもしれませんね。
    通しで読むと、1日おきに1話ずつ読んでいるのとは違ったものを感じるようにも思いますしね♪

  9. m より:

    。・゜・(ノД`)・゜・。

  10. あゆ より:

    かわいそうで泣いてしまいます(T_T)

  11. まきやん より:

    >天使ママさん
    失礼しました。
    ご丁寧にありがとうございます。

  12. tibi より:

    大人になったいい歳の私でも
    夢に大切な人が出てくると
    目覚めた時は何とも言い難い気持ちになります。
    幼い淳和君と透明先生のお気持ちを考えると
    とても悲しくなりました。
    きっとお父様も心配しているでしょう。
    いつも心に寄り添う透明先生のお姿。
    今もまだお休みになっていらっしゃるのでしょうね。。
    強い念は透明先生を逆に苦しめるかもと
    考えないように考えないようにしていました。
    お身体が早く良くなることを
    できるだけそっと祈っています。

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