狂乱の宝珠
・5
私は、天井にかかっているロープを取り
玄関でチャイムを鳴らし続ける老人を
迎え入れた・・・。
タイ「お、おいどうなったんだ
何があったんだ」
取り乱す泰蔵さんに、今、あったことを伝える
泰蔵さんは、鼻息を荒くして真島さんの側へ・・・。
タイ「おいアンタ
何考えてんだ
アンタが諦めてどうすんだ
子供も旦那もまだ生きてんだろうが~
今、動けんのはアンタしかいねぇ~だろ
病院で必死に生きようと頑張ってる
子供や旦那よりも先に逝くなんて以ての外だ
お天道さんが許しても、俺がゆるさね~ぇ
世の中にゃ~、生きたくても生きらんねぇ~
ヤツもいるんだ
自分から命を絶つなんてのは、ぜって~やっちゃ
いけねぇ~んだ」
なるほど、そういう状況なんだ・・・。
私は、興奮している泰蔵さんの肩をポンと叩き
真島さんの側へ・・・。
透明「真島さん
これだけ心配してくれている人がいるんです
私も全力を尽くしますから、一緒にこの状況を
何とかして行きましょう」
真島「うぐっ・・・えっぐ・・・」
真島さんは、大きな不安と恐れの中で極限まで
頑張っていた糸が切れてしまったようだ
私たちは、しばらく、真島さんの奥さんが落ち着くのを待つ・・・。
その間、私は一人、家の周りや土地の気を探っておく
透明「(う~ん・・・特に風水は悪くない・・・
しかし、さっきは慌ててたからわかんなかった
けど、よく見ると立派な家だな~)」
高級住宅街のど真ん中
結構な坪数の真島家は、周りの家と見比べても
かなり大きい
しかし、今のところ大きな原因が視えてこない
透明「やっぱり直接話を聞かないと、わかんないか」
私は、部屋へ戻り、真島さんの話を聞くことにした
部屋には、少し落ち着きを取り戻した真島さんに
珍しくお茶を入れてあげている泰蔵さんが声を
かけていた
透明「真島さん大丈夫ですか
」
真島「はい・・・本当に申し訳ありませんでした・・・
」
透明「いいえ真島さん、ちょっと聞き辛いのですが
何があったのか話していただけますでしょうか
」
真島「・・・・はい・・・・昨年のことです・・・。」
真島 紗央里(まじま さおり)さん・40歳
旦那様の亘輝(のぶてる)さんが起業したことを
きっかけに、30歳の時に結婚
それからは、夫婦二人三脚で仕事を切り盛りし
苦労して今の生活までにいたる・・・
男の子と女の子の2人の子供にも恵まれ、
やっと安定した幸せを掴んだ矢先に、事件が起こる
一年前の2月、会社の取引先であった企業が
突然の倒産取引資金で入れてあったお金も
着服されていたため、一気に会社は傾いてしまう
それでも、夫婦で頑張ってきた底力で何とか会社を
守ることはできたのだが、8月のある日
心労、疲労が溜まった為か、旦那様の身体に癌が
見つかる・・・気づいた時には手の施しようがなく
医者からは、もって一年と宣告され、今は病院で
闘病生活をしているらしい・・・
そんな中、昨年の12月
幼稚園から帰ってくる途中の横断歩道で、
二人の子供が酒気帯び運転の車にはねられ、
長男・ヒロアキくんが意識不明の重体・・・。
長女・アスカちゃんも、半身麻痺となり
父親のいる病院に入院しているとのこと・・・
今もヒロアキくんは意識が戻っていない
それ以外にも、旦那様のご両親の他界
友人の事故死、従業員の病・・・etc.
確かに、この一年で異常なまでの連鎖が起こっている
なんとか早く、原因だけでも突き止めなければ
続く・・・。
おすすめのお店で~す
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コメント
おはよーございますー。
なめこ栽培やってて、アカン、こんな遊んでばかりいたらダメ人間まっしぐらと、焦っているサエコです。
あー…私も本日の情報量だとわかんないです。
いや、別に先読みしようと思ってるわけじゃなくて、この奥さまと同じように、立て続けにいろいろあったんですよ、昔。
でー、旦那から私と結婚してからひどくなったって言われたんで、はーそりゃすんませんねと言ってたんですが、いろいろ占い師さんにも聞いたけど、原因特定出来なかったんですよ。
途中で勝手に送信されたので、要旨は、
何が理由だったのかが自分の中で仮説の域で、核心ではないので、この記事は特に興味深く参考にさせていただきます。
なんという不幸の連続。。。{汗}
頑張ってる人が不幸になるのは解せないですね。。
言葉が出ないです(((`д`;)))
解決後もメンタル病まなかったら良いですが。。。
間に合って良かった。
奥サン助かってホントに良かった。
原因が分かり、旦那様や子供サン達の病気が快復に向かいますように・・・
いたたまれない…
こんなに立て続けに起こるなんて、どれだけの因縁なのでしょう
2人のお子さんのところから、読んでて、真島さんの追い詰まった気持ちに触れたようで胸が痛い…
うううっ(涙)
真島さんに平安が訪れますように(祈)