百忌怪談・8

百忌怪談・8

 円「・・・・

 陣「でどうなったんだ

 怜「それから数ヶ月したある日・・・。」

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

その日の私は、隠者の森を何気なく眺めていた。

 怜「・・・・・今日も、特に異常は無し・・・

   はぁ~ただ見張るっていうのもな~

   ・・・・・・退屈・・・・・。」

私は、師匠に言われた聖域の監視は続けて

いたが、特に何もない日が毎日続くだけ

ますます、この能力の意味合いを見出せなく

なっていた

 怜「はぁ~今日は終わり

   そろそろ、バイトに行かなくちゃ

外へ出かける支度をし、家の玄関を出る・・・。

  「チクッ

 怜「・・・・

突然、目の奥が痛くなる・・・。

 怜「あれっ疲れてるのかな~

   目の使いすぎ

何か違和感を感じながらもバイトへ行こうと

歩き始めるが・・・

  「チクッ

 
 怜「・・・・な、何これ

   目の奥が痛い・・・。」

片眼を押さえて座り込む私は、何か嫌な

予感を感じ、その場で能力を解放する・・・。

 怜「・・・あれ痛くない・・・。

   聖域を視てる分には痛みはないのかな

   ・・・

霊魂「た・・・す・・・け・・・

   ぎゃ~~~っ

 怜「

突然、目の前に現れた霊魂の頭が吹き飛ぶ

その後ろには、大きな黒い固まりが霊魂の頭を

貪るようにススっている

 怜「ドクンドクンドクンドクン

鼓動がはち切れんばかりに警告を出している

目の前で起こっている事柄が、受け止められず

頭の中が真っ白になる・・・。

霊魂「たっ、た、すグブッ

 怜「

今度は後ろから

後ろを振り返ったときには、その霊魂の下腹部が

引きちぎられ、その後ろにいる黒い影に

飲み込まれてゆく・・・。

霊魂「ママ~たすけ・・・ブチッ

 怜「ダ、ダメ~~~~~ッ

   もう止めて~~~~っ

私は、生まれて初めて心の底から、腹の底からでる

大きな声を出して叫んでいた

 怜「ブチッン出て行きなさい

   ここから

   出て行け~~~~~~~~っ

悪鬼「

羅刹「

 
一体、何が起こったのか

突然、凄まじい力で空気が流れだし、その場にいる

悪しき存在を押しつぶす

破片となった悪しき存在は、聖域の外へ吹き飛ばされ

視えなくなっていた・・・。

 怜「ごめんなさい・・・グスッ・・・ごめんなさい

   私が、ちゃんと視ていなかったから・・・グスッ

   ごめんなさい・・・・

私は、無惨に飛び散った霊魂の腕を抱えながら

後悔と恐怖に泣き崩れてしまった・・・。

ガーディアンとしての仕事

聖域内でのその力は無敵

しかし、ゲートを常に監視していなければ、

悪鬼羅刹は平然と侵入してくる・・・。

私が監視をしていなかった時間は、悪しき存在にとって

聖域を穢し、捕食するにはかっこうの時間だったのだ

忌念障気の約定を結びし契約者の霊魂を喰らいにくる

悪しき存在は、私が視ていない隙に霊魂を喰らい

ついでに、その場にいる霊魂をも貪り喰う・・・。

私はこの後、右の目を聖域に捧げる

右目だけは寝ている間も、常に聖域を監視し続ける

ことができるように・・・

そして、もう二度と

     目の前で犠牲が出ないように・・・。

           続く・・・。

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コメント

  1. みき より:

    ガーディアンとしての使命をまっとうするため、もう右目は自分のものではないのですね・・・
    これって、深い愛、無償の愛なのかも。
    たとえば、お母さんは子育てする時に、たとえ寝ていても、子供のことをずっと気にかけて、なにかあれば飛び起きたりしますよね。
    れいさんにとっては、聖域に眠る魂は、すべて自分の子供みたいなものなのかも・・・すごく重たいお役目、でも他に変わる人がいないのですね。
    うーん、透明先生以外のみなさんも、凄すぎます{アップ}{アップ}{アップ}

  2. m より:

    怜さんカッコいいです!>_< 死後の安全を見守る役割というのもあるんですね。 悪鬼も羅刹も実在するんですね((((;゚Д゚))))))) マジで零感からしたら漫画かゲームの話しにしか見えないんすけどノンフィクションなんですよね…´д` ;ヒェェ

  3. 太めだった乙女 より:

    透明先生や、兄弟の方々の”覚悟”って、すごいのですね。
    読んでいてゾクッとしました。
    並大抵のものじゃないのですね。
    言葉がでないです。
    透明先生本当にありがとう{グズン}

  4. サキ より:

    みきさんの言葉にとっても納得できました。

  5. みき より:

    サキさん、こんにちは。
    「みきさんの言葉」って、きっと私の言葉ですよね{りんごちゃん}
    嬉しいです。ありがとうございます☆
    私も、自分が支えるべき大切な人に対して、いつも無償の愛を
    ささげられる人でありたいなと思います。
    あっ、この会のお話は「怖い」テーマだったはずなのに、なんだか
    ほんわか温かくなってきました{ラブラブ}

  6. サンディ より:

    怜さん 大変な思いをされたんですね、どう表現してよいか分からないのですが、きっと怜さんが守っておられる世界の中に、私の大好きなおじちゃんやおばあちゃんもいるのかなと、そしてたくさんの私達が関わった大切な先人達が怜さんのお陰で守られてるのかなと。勝手に想像しておりました。怜さん、どうもありがとうございます。

  7. しゅ より:

    <太>質問 
    数週間前より、熟読しております。
    お忙しそうなので、質問は控えようと思っていましたが、好奇心に負けました。不必要な質問でしたら、スルーしてください。
    「悪」について、掘り下げて知りたいです。
    他の記事にも、この話にもありますが、「悪鬼、羅刹、(悪魔は他の記事であったかも? 悪鬼と悪魔?宗派の違い??)等と契約して、人を呪う」ということから・・・{スマイル}
    何故、そこまでして人を怨めるのか、不思議でなりません。
    もし自分だったら、ものすごく嫌な人がいても、怨むことにエネルギーを費やすのがバカバカしくなります。もう、無理だから、放っとこうと思います。
    そんな自分と比べても、悪霊になってまでも呪う人というのは、ある意味、すごい執念の能力なのか?と。
    また、悪鬼、羅刹、悪魔などは、何でしょうか。
    ずっと前、キリスト教信者に取りついた悪魔を、エクソシストが祓うのを、テレビで見ました。
    やらせなのか本当なのか、素人なので分からなかったですが、本当ならゾッとします。
    が、もともと修行を積んだ人が、悪魔になった、というようなことも小耳に挟みました。
    そんな「悪」とは何なのでしょうか?
    人の魂を食べるような悪鬼・羅刹などは、何故存在するんでしょうか?
    存在するということは、必要悪としているのかどうか。かなり怖いのですが{汗}

  8. 透明先生 より:

    >しゅさん
    なるほど{ひらめき} これは、皆さんも興味が
    あると思います{YES}
    「悪」というものについては、私も色々と考えた
    ことがありましたので、参考になる記事を
    扱えるようにしてみたいと思いますので、
    待っていてくださいね{YES}

  9. しゅ より:

    透明先生{さくら}
    ありがとうございます。いそがずにお待ちします{スマイル}

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